我鬼がき)” の例文
で、その時、一つの小舟から、クルクルと素裸体になった十五六歳の我鬼がき大将が、真黒な身体を逆さにして、ドボンと滝壺近くの深味へ飛込んだのである。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「そうは云っても、我鬼がきまで出来たことじゃ」きろきろと四辺あたりへ眼をやり、落ちている櫛を見つけてそれを取り、「いものがある、これでも持って往こうか」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
聞説す、我鬼がき先生、佐佐木味津三君の文を称し、猥談わいだんと題するをすすめたりと。何ぞその無礼なるや。佐佐木君は温厚の君子、幸ひに先生の言をれ、君が日星河岳じつせいかがくの文字に自ら題して猥談と云ふ。
八宝飯 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
芥川あくたがわ我鬼がき久米くめ三汀さんてい等来り共に句作。
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)