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いつゝはん
ふりがな文庫
“
戌刻半
(
いつゝはん
)” の例文
仕事場に籠ると見せて、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)少し前に脱け出し、小夜菊を殺して仕事場に戻り、
亥刻
(
よつ
)
に誘ひに來る約束のお咲を待つたのだ
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ——、金の勘定などを奉公人は見るものぢやないつて叱られます。
戌刻半
(
いつゝはん
)
から先は旦那の部屋へ行かないことにして居るんです」
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錠はいつもの通り、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)には外からおろしました。——今日
卯刻半
(
むつはん
)
(七時)外から聲を掛けましたが、お返事がないので、錠を
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御馳走になつて、少し醉つて、
酉刻半
(
むつはん
)
(七時)頃歸つた相です。家へ
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)に戻つてゐますから、それ位はかゝりませう
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)過ぎでした。隣りの部屋へ床を敷いて上げてお勝手へ來たとき
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)の火の番の
拍子木
(
ひようしぎ
)
が鳴つてゐたやうで——」
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
義理一ぺんの客が歸つて、親しい人達だけ殘つたのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎ、これから又盃を改めて、夜と共に騷がうといふ時
銭形平次捕物控:125 青い帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「下女のお榮が戸締りをしたのは
酉刻
(
むつ
)
(六時)丁度。勘兵衞の寢酒に附き合つて寢たのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)だつたと、これはお關が言ひます」
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「わかるものか、それより、お前が此處で落合ふことにしたのは誰だえ、もう
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎになるだらうが、姿を見せないぢやないか」
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
九月十三夜は、お月見のゴタゴタで叔母のお常がひどく遲れ、嫁のお香の後で使つたのは、やがて
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)といふ頃。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうち
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)になつたから、お鐵との約束を思ひ出して、お勝手口へ行くと、
肝心
(
かんじん
)
のお鐵が、井戸端で殺されて居るぢやありませんか
銭形平次捕物控:279 持参千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「良い月であつたよ、私は
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)頃母屋へ歸つたが、塔の三階は窓が大きいから、晝のやうに明るかつた」
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)には床にお入りになります。早寢の早起きが御自慢で、商賣柄夜は暗くなると店を仕舞ひます」
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
亥刻
(
よつ
)
過ぎに湯屋へ來て、すぐ歸つたさうで——まだ
戌刻半
(
いつゝはん
)
くらゐでせうね。と番臺へ幾度も念を押したりして」
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
の
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)頃でしたよ。いつものことで、寢る前に雪隱へ入つて、いざ出ようといふ時、障子紙を
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その晩、明神下の平次の家へ、八五郎がやつて來たのは、もう
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎ、少し醉つてをりました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「父さんは何處へも出はしません。
戌刻半
(
いつゝはん
)
頃までお店に居て、それから休みました。奉公人が五人も居りますから、誰にも知れないやうには外へ出られません」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「宵のうちのことはわかりません、お勝手で仕事をしてますから。——
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)から先は、金五郎親分と岩吉さんの外には誰も入つて來なかつた樣です」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
して居るので、プイと飛び出し、松永町の
賭場
(
とば
)
に潜り込みました。
酉刻半
(
むつはん
)
(七時)から
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)頃まで人の勝負を見て居たことは證人が五、六人もあります
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ、でも、主人は毎晩
戌刻半
(
いつゝはん
)
頃、お休みの前に入ることにきまつて居ります。それに、入ると直ぐに大きな空咳をしますので、名乘をあげて居るやうなもので」
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その晩
戌刻半
(
いつゝはん
)
頃、生暖かいのに
覆面
(
ふくめん
)
をした一人の武家が、三人の供をつれて釜屋の入口に立ちました。
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
店が閉つてから、大抵
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)から
亥刻
(
よつ
)
(十時)の間ださうです。曲者が家の中に決つてゐるから、離屋に居る寺本山平は勘定に及ばないぢやありませんか。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眺めてゐると、ツイ二三十間先——家の數にして五六軒目の二階の縁側に出してある
行燈
(
あんどん
)
が、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎだといふのに明々と灯が入つてゐるぢやありませんか
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「本堂の
須彌壇
(
しゆみだん
)
の上に置き、一同は引下がりました、——
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)時分であつたと思ひます」
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)頃部屋に落着いて、私はお茶を入れ、家内はいつもの寢酒を、
埋火
(
うもれび
)
で
燗
(
かん
)
をして、五勺くらゐ呑んだやうであつたが、急に苦しみ出して、
夥
(
おびたゞ
)
しく吐血した——
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「えゝ、父上も、姉上も、靜かなところがお好きですから、
戌刻
(
いつゝ
)
か
戌刻半
(
いつゝはん
)
には別々に銘々のお部屋に引取つて、お仕事をしたり、お手習をしたり、御本を讀んだりします」
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手紙の文句には、どんな事が書いてあつたかそれはわかりませんが、兎も角も玉枝は、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎになつて、そつと離屋に宇古木兵馬を訪ねたことは事實でした。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寢たのは少し遲く——と言つて隱居の私のことだから
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)そこ/\いつものお極りの三合の寢酒を少し過ごして、二本つけさせ、ぐつすり寢込んでしまひました。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兩國を出たのは
酉刻
(
むつ
)
(六時)少し過ぎでした。ゆつくり漕がせて、白髯のあたりに上つたのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(八時)頃、その時分はもう船中酒が廻つてすつかり醉つて居りましたよ。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「武家は
戌刻半
(
いつゝはん
)
には歸つてゐるぜ。鐵砲の音のしたのは、それから一刻も後だ。箱のやうに念入りに戸締りをした離屋に忍び込んで、鐵砲で人を殺して逃げる工夫はあるまい」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「佐の市のお
袋
(
ふくろ
)
が、
卯刻
(
むつ
)
(六時)前に開けた。輪鍵はちやんと内側へ掛つて居たさうだよ。
戌刻
(
いつゝ
)
時分にお美乃が歸つて來て、お六の死骸を見付けたのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時頃)だらう」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜伜がソワ/\と外へ出たのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)近い時分、若い者の出かける時刻ではございませんが、とがめ立てするのも變なものですから、しばらく放つて置きましたところ
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
酉刻半
(
むつはん
)
(七時)頃一度、それから
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎに一度、——その時は歸るのに四半刻(三十分)ほどかゝりましたが、船で水神へ來て、泳いで歸るひまはなかつた筈です」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夏場のことで、表通りの店はまだ開いて居りますが、
蚊遣煙
(
かやり
)
が淡くこめて、何處からともなく
爪彈
(
つまび
)
きの音も聽えて來る
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎ、江戸の夜の情緒は、山の手ながら妙に
艶
(
なま
)
めきます。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
遲くなると物騷だと知り乍ら、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎに谷中まで出かけました
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一刻ばかりお話になつて、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)頃お歸りになりました」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それによ、先生が殺されたのは、
戌刻
(
いつゝ
)
(八時)から
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)迄の間だ。
蝋燭
(
らふそく
)
の減りやうでもそれくらゐのことはわかるだらう。丁度その時お近さんは離屋へ來て死んだおいらの姉さんの世話を
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「番頭の清六どんが、手拭を下げてブラリと出たのは、店が閉つてから——
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)時分で御座いました。清六どんは恐ろしい湯好きで、内風呂の立たない晩は、必ず町内の巴風呂へ參ります」
銭形平次捕物控:149 遺言状
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
客の歸つたのは二度目の夕立が來かゝつた
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)で、後に殘つたのは、家の近い猪之松と五助と菊次郎とお紋だけ、この顏ぶれは
平常
(
ふだん
)
から別懇にしてゐるから、腰を据ゑて飮み直すときめて
銭形平次捕物控:125 青い帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人が元柳橋の、お幾の家に着いたのはもう
戌刻半
(
いつゝはん
)
過ぎでした。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大變の
旋風
(
せんぷう
)
が飛込んだのは、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)少し廻つた頃。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その晩、八五郎が歸つて來たのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎ。
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜、
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)少し前だつたと思ひます、店を
銭形平次捕物控:253 猫の首環
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
へエ、——
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)少し過ぎでございました。
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お吉が言つて來たのは
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎでした。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今から行くんですか、もう
戌刻半
(
いつゝはん
)
ですぜ」
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時はもう
戌刻半
(
いつゝはん
)
過ぎだつたでせう
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)過ぎでした。お通は自分の部屋に引込んで、何んかやつて居たことでせう、丸窓の灯は見えましたが、母屋からは何んにも見えなかつたのです。時候にしては暑い晩でしたが、丸窓は滅多に開けたこともありません」
銭形平次捕物控:256 恋をせぬ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)頃でしたが」
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私はお孃樣のお供で、夕方戻つて參りました、その時は横井樣も打越樣もお元氣で、それから
戌刻半
(
いつゝはん
)
(九時)近くまで見て居りましたが、お二人とも、少しも變らなかつた樣です。あの元氣な横井さんが、夜半に死ぬなんて、まるで嘘みたいぢやありませんか」
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
戌
漢検1級
部首:⼽
6画
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
“戌刻”で始まる語句
戌刻
戌刻過
戌刻頃
戌刻前