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慾望
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よくぼう
ふりがな文庫
“
慾望
(
よくぼう
)” の例文
殊更、無理難題を吹っかけなくとも存分に
慾望
(
よくぼう
)
をみたすことができるとすれば、先ず結構なお道楽というべきであろう。
本所松坂町
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
タダ僕ハ生理的ニ彼女ノヨウニアノ方ノ
慾望
(
よくぼう
)
が
旺盛
(
おうせい
)
デナク、ソノ点デ彼女ト
太刀打
(
たちう
)
チデキナイ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
得意と、えがいてきた
慾望
(
よくぼう
)
を、めちゃめちゃに
裏切
(
うらぎ
)
られた蛾次郎は、腹立たしさのあまり、
出放題
(
でほうだい
)
なにくまれ口をたたいて、
黒屋敷
(
くろやしき
)
の門をでようとすると、横からふいに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女に好かれたいなどという息ぐるしい
慾望
(
よくぼう
)
を、この半箇月ほどの間に全部あっさり捨て去ったせいかも知れぬが、自分でも不思議なほど、心に少しのこだわりも無く楽しく遊んだのだ。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
彼は生の
慾望
(
よくぼう
)
と死の圧迫の間に、わが身を想像して、未練に両方に
往
(
い
)
ったり来たりする
苦悶
(
くもん
)
を心に描き出しながら
凝
(
じっ
)
と坐っていると、
脊中
(
せなか
)
一面の皮が毛穴ごとにむずむずして
殆
(
ほとん
)
ど堪らなくなる。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
久
(
ひさ
)
しぶりで
甲府
(
こうふ
)
という都会のふんいきをかいだ蛾次郎には、さまざまな
食
(
た
)
べ物の
慾望
(
よくぼう
)
、みたいものや聞きたいものの
誘惑
(
ゆうわく
)
、なにを見ても買いたい物、欲しいものだらけであった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
慾
漢検準1級
部首:⼼
15画
望
常用漢字
小4
部首:⽉
11画
“慾”で始まる語句
慾
慾張
慾得
慾目
慾心
慾念
慾気
慾情
慾深爺
慾張婆