“よくぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
欲望66.7%
慾望33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何かたいへんなことがはじまったような気がした。正九郎はもうあらゆる欲望よくぼうをすてて、このまま帰ってもいいと思った。
空気ポンプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
久保田万太郎君くぼたまんたらうくんの「しるこ」のことをいてゐるのをぼくまた「しるこ」のことをいてたい欲望よくぼうかんじた。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
得意と、えがいてきた慾望よくぼうを、めちゃめちゃに裏切うらぎられた蛾次郎は、腹立たしさのあまり、出放題でほうだいなにくまれ口をたたいて、黒屋敷くろやしきの門をでようとすると、横からふいに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女に好かれたいなどという息ぐるしい慾望よくぼうを、この半箇月ほどの間に全部あっさり捨て去ったせいかも知れぬが、自分でも不思議なほど、心に少しのこだわりも無く楽しく遊んだのだ。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)