愛知あいち)” の例文
はこせこかとおもふ、にしき紙入かみいれから、定期ていきだかなんだかちひさくたゝんだ愛知あいち銀行券ぎんかうけんきぬハンケチのやうにひら/\とふつて、きん一千圓いつせんゑんなり、といふ楷書かいしよのところをせて
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
されば南シナ海の低気圧は岐阜ぎふ愛知あいちに洪水を起こし、タスカローラの陥落は三陸に海嘯かいしょうを見舞い、師直もろなおはかなわぬ恋のやけ腹を「物の用にたたぬ能書てかき」に立つるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
生みの親は播州ばんしゅう龍野たつのから御当領の愛知あいち朝日村あさひむらに移り住んでおりまする木下七郎兵衛家利いえとしが娘で、一男二女の三人の子の、うちの一女をもらいうけて育てあげたのでござります。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)