惨鼻さんび)” の例文
ことにチエンロッカーと彼女らとの関係は惨鼻さんびをきわめた。それは、密航婦を船長とボースンとが共謀で、チエンロッカーの中に隠したのであった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
洲股川の濁流さかまく闇夜、さしもの城方の野武士勢も、初めて味わったほどな惨鼻さんびな戦争をした。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鈴江の行方についてはかくも、一方お千代の惨死体ざんしたいが、又もやカフェ・ネオンの三階に発見されて大騒ぎが始まった。またしても言うが、お千代の最後は惨鼻さんびきょくだった。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
譎詐きっさ権謀けんぼうや、あらゆる醜い争闘は、むしろ、血のちまたよりは陰険でそして惨鼻さんびだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)