恩返おんげえ)” の例文
他に恩返おんげえしの仕様がねえから、旦那様を大切でえじに思って、不寝ねずに奉公する心得だが、貴方あんたは今の若さで遊んでいずに、何処かへ奉公でもしたら宜かろう
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「へい、もう五年生きていてくれると、育ってくれた恩返おんげえしも出来たんですが、まゝにならないもんです」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
手前も己も旦那の敵を取って恩返おんげえしを仕なけりゃア済まねえ、代官へでも何処どこへでも引張ひっぱって行くのだ、本堂に若旦那が居るから若旦那に一寸ちょいとと云って呼んで……
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それもこれも死んだ父様とっさま恩返おんげえしがしてえと思って居るんで、父様のお位牌へていし、鹽原の名前なめえを汚すめえと思って居りやんす、八歳やッつの時から貰われて来て育てられた恩は一通りでねえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
奉公人だと思って台所の隅へでも置いてくだされば有難うがんす、私は八歳やっつの時から此のうちに貰われて来て、死んだ父様とゝさまの丹誠で大きくなりましたから、是から恩返おんげえしをしなければならない身体
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今追出されては恩返おんげえしが出来やせんから、どうか堪忍しておくんなさい
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)