恋路こいじ)” の例文
旧字:戀路
「いや、恋路こいじのじゃまをしてはなはだすまんが、わしもちと退屈して来た。もう出てよかろう」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
天に年わかき男星おぼし女星めぼしありて、相隔つる遠けれど恋路こいじは千万里も一里とて、このふたりいつしか深き愛の夢に入り、夜々の楽しき時を地に下りてけ、あるいは高峰たかみねの岩かど
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)
相「なんですと、孝助が養子になると、にッこい奴でごじいます、人の恋路こいじの邪魔をすればッて、わたくしが盗人根性があって、お負けに御主人の頭をにやすと、何時いつ私が御主人の頭を打しました」
年月のたえて久しき恋路こいじにはわすれ草のみしげりあふめり
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)