)” の例文
そうして代りに洋食屋、馬肉屋、牛肉屋、小料理屋、ミルクホール、そうした店のげるさまなく軒を並べ看板をつらねるにいたった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
根が三馬鯉丈りじょう系統の戯作者はだに出来上った男だから、いつも月夜に米の飯で暢気に暮し、貧乏にも借金にも少しもげずに、執達吏の応接などは手に入ったもんだった。
九夏三伏の暑熱にもげず土佐炭紅〻あか/\と起して、今年十六の伜の長次と職人一人を相手として他念なく働いたおかげで、生計も先づゆたかに折〻は魚屋の御用聞きなどを呼入れて
名工出世譚 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そうして、あと、いくらでもまたつゞけられた。——それほどげないかれだった……
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
そして、暑さにげない人々は……というよりも、暑さがつのれば募るほど、逆に、よけい意地になり、いろいろかさにかかって来る人出は、仲見世に、仁王門に、本堂の階段にあふれた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)