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えてもの
ふりがな文庫
“
怪物
(
えてもの
)” の例文
「何んとかして下さいよ、親分。あんな
怪物
(
えてもの
)
にのさばられちや、こちとらの耻ばかりでなく、神田つ子一
統
(
とう
)
の耻ぢやありませんか」
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「怖ろしいのは大あらしぐらいのものですよ。猟師はときどきに
怪物
(
えてもの
)
にからかわれると言いますがね。」
木曽の旅人
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「斯ういう雄大な景色を見ていると清々する。この上親父の凸凹頭を撲ってやったら何んなに好い気持がするだろう。銭勘定の外何にも分らない
怪物
(
えてもの
)
は浅ましいね」
朝起の人達
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
彼処
(
あすこ
)
は、鮒でも、鯰でも、たんといるだろうが、いけねえぜ、彼処には、
怪物
(
えてもの
)
がいるぜ」
おいてけ堀
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もつたいなくもこのタブー附の
怪物
(
えてもの
)
——家康公のお墨附を
安女郎
(
やすぢよらう
)
の戀文のやうに、ヒラヒラと宙に見せびらかすのでした。
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
鴨は又もや二足ばかり歩む、歩めば追い、追えば歩み、二三
間
(
げん
)
ばかりも釣られて行く時、他の一人が此の
体
(
てい
)
を見て、オイオイ止せよせ、例の
怪物
(
えてもの
)
に相違ねえよと、声をかける。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
稲荷様へ行って、駕籠へ乗って中で着換えたのは、わざわざ遠方から来た、
怪物
(
えてもの
)
に見せようという細工さ。あの女はあれでなかなか馬鹿じゃないんだよ
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私共の仲間では此れを一口に『
怪物
(
えてもの
)
』と云いまして、猿の
所為
(
しわざ
)
とも云い、
木霊
(
こだま
)
とも云い、魔とも云い、その正体は何だか解りませんが、兎にかく怪しい魔物が住んでいるに相違ありません。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「河童なら
尻小玉
(
しりこだま
)
を抜くのが商法でしょう。突っ殺すという
術
(
て
)
は
怪物
(
えてもの
)
にはないはずじゃありませんか、ね親分」
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「大變ですよ、その
怪物
(
えてもの
)
は、この町内だけでも噂の立つたのが、ザツと十五、六人。名前を讀み上げませうか」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところが大變なんで、叔母がツイ大きな音を立てると、
怪物
(
えてもの
)
はサツと部屋の中から飛出した相です。
銭形平次捕物控:272 飛ぶ若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「野郎だか
怪物
(
えてもの
)
だか見当が付かねえから弱っているのさ、とにかく行ってみよう」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
怪物
(
えてもの
)
は足ぐらい融通して来るよ、——その辺の畳が濡れているかも知れねえ」
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分、
怪物
(
えてもの
)
は隣の
天水桶
(
てんすいおけ
)
を踏台にして、
庇
(
ひさし
)
を渡って二階へ押し込んだんだね」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
嗜
(
たしな
)
みの良い
娘
(
こ
)
なら、滅多なことで人樣に愛嬌を振り
撒
(
ま
)
くものぢやねえ——
雌犬
(
めいぬ
)
だつて毛嫌ひつてものがあらア、——十人も二十人もの若い男を
矢鱈
(
やたら
)
無性に引付けるのは、容易ならぬ
怪物
(
えてもの
)
と思はないか
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嗜
(
たしな
)
みの良い
娘
(
こ
)
なら、滅多なことで人様に愛嬌を振り
撒
(
ま
)
くものじゃねえ——雌犬だって毛嫌いってものがあらア、——十人も二十人もの若い男を
矢鱈
(
やたら
)
無性に引付けるのは、容易ならぬ
怪物
(
えてもの
)
と思わないか
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分の前だが、女
日照
(
ひでり
)
の國には、いろんな
怪物
(
えてもの
)
がゐるんですね」
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが、例の
怪物
(
えてもの
)
——、何しろ青銭や鐚銭を
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが、例の
怪物
(
えてもの
)
——、何しろ青錢や
鐚錢
(
びたせん
)
を
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“怪物”の意味
《名詞》
得体の知れないまた怖い生き物。化け物。
(比喩的)能力が飛びぬけて優れている人。
(出典:Wiktionary)
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“怪物”で始まる語句
怪物共
怪物輿論
怪物件
怪物狩
怪物談