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ふんぜん
ふりがな文庫
“
忿然
(
ふんぜん
)” の例文
浪子は
忿然
(
ふんぜん
)
として放ちたる眼光の、彼がまっ黒き目のすさまじきに見返されて、不快に
得堪
(
えた
)
えずぞっと震いつつ、はるかに目をそらしぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「いきなりだと」昂軒は
忿然
(
ふんぜん
)
といきり立ったが、すぐにまた頭を垂れた、そして垂れたままでその頭を左右にゆっくり振った
ひとごろし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
貴君が
忿然
(
ふんぜん
)
として座を立たれたとき、妾が止めるのも、
肯
(
き
)
かず、憤然として、お帰り遊ばす後姿を見たとき、この方こそ
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
伸子は、自分らに
忿然
(
ふんぜん
)
とした気になって、そんなことを考えつづけた。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
忿然
(
ふんぜん
)
として加藤の門を
出
(
い
)
でたる武男が母は、即夜手紙して山木を招きつ。(篤実なる田崎にてはらち明かずと思えるなり)。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
祠はしんとしてそうだとも違うとも答えない、八百助は
空耳
(
そらみみ
)
だったと思って怒り直し、
忿然
(
ふんぜん
)
としてまた燧石をかちっと打った、そのとたんにこんどはもっとはっきり「待ってくれ」
艶妖記:忍術千一夜 第一話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「いいえそんなことはありませんわ」双葉嬢は
忿然
(
ふんぜん
)
と顔をあげた。
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大学は
忿然
(
ふんぜん
)
とし、声を荒くして「刀自」と呼びかけた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
平野氏は
忿然
(
ふんぜん
)
と立って
天狗岩の殺人魔
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
忿
漢検1級
部首:⼼
8画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“忿”で始まる語句
忿怒
忿懣
忿
忿々
忿恨
忿念
忿激
忿恚
忿憤
忿怨神