忠恕ちゅうじょ)” の例文
わけても陽明学を好み、傍ら大槻玄沢おおつきげんたくの弟子杉田忠恕ちゅうじょの邸へ通って蘭学を修めようというのだから鷹にしても上の部だ。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で公徳と申すと何か新しく外国から輸入して来たように考える諸君もあるかも知れんが、そう思うのはだいなる誤りで、昔人せきじん夫子ふうし道一みちいつもっこれつらぬく、忠恕ちゅうじょのみと云われた事がある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかもその道たるや、人倫の道であって、神のことばでも悟りの道でもない。人倫の道を踏みさえすれば、すなわち仁を実現し忠恕ちゅうじょを行ないさえすれば、彼にとっては何の恐れも不安もなかった。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)