シルリング)” の例文
「世界中にあなたより他には——若しあなたが私の友なら——友もない私に、あなたが下さるより外には一シルリングだつてない私に?」
そしてテーブルの上には、十ポンドの紙幣二枚と、金銀貨併せて十七ポンドシルリングの金が、それぞれ違った額に整頓されて、小さなやまに積まれてある。
始めてった時報酬はと聞いたら、そうさな、とちょっと窓の外を見て、一回七シルリングじゃどうだろう。多過ぎればもっと負けても好いと云われた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大学の椅子さえ抛つくらいだから、七シルリングの御弟子を疎末そまつにするのは無理もない。先生の頭のなかにはこの字典が終日終夜槃桓磅礴ばんかんほうはくしているのみである。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
マイルについて五シルリングという規定の特別乗車賃の割合で、総額五十ポンドシルリングを支払うが早いか、あくあくしながら、例の連れの男を促して、まだ三十分はたっぷり間があろうというに
私は彼女に一シルリング遣つた。彼女はそれをポケットから取り出した古い靴下の底に入れた。そしてそれをくる/\捲いてゆはへると、手を差し出すようにと云つた。私はその通りにした。