御成敗ごせいばい)” の例文
手錠をはめられ板木はんぎ取壊とりこわすおかみ御成敗ごせいばいを甘受していたのだと思うと、時代の思想はいつになっても、昔に代らぬ今の世の中
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
御成敗ごせいばいとなら、早うお手をお下しなされませ——但し、雪之丞、生き物でござりますゆえ、お手向いはいたしますぞ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「決して、すみません。けれどかかる不始末で、腹は切りとうございませぬ。御成敗ごせいばいとあらば、首さしのべますが」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唯此の上はいかようにも御成敗ごせいばい遊ばして下さりませ、とても生きがいのなき浮世に琵琶法師として長らえておりまするより、武士として死なせて戴きたく
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
一橋本町一丁目家主八右衞門申上奉つり候さるふゆ御所刑おしおきに相成候彦兵衞せがれ彦三郎と申者父彦兵衞無罪むざいにして御所刑に相成候事私し申上方よろしからざる故也因ては父の敵に候へば討果うちはたし彦兵衞に手向たむけ度由申候に付公儀の御成敗ごせいばいは我々力に及ばずと申聞候へ共一かう得心とくしん仕つらず殊に若年と申大坂より一人罷下まかりくだり候儀亂心らんしんの樣に相見え旅宿承まは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これを御成敗ごせいばいくださらないでは、手前ども力の弱い町人は、安心してお膝元ひざもとに住んではおられません
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御成敗ごせいばいを賜わりたい」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)