御感ぎよかん)” の例文
嬢様は荒尾君の大傑作を縕袍どてらと間違へてらツしやると見える。それでも荒尾先生、御感ぎよかんを忝ふしたと心得て感涙にむせんで、今度は又堪らないものを作つた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
帝王の目をひいて、御感ぎよかんにあづからうとするには、何でも人一倍ひねつた、縁起のいいものでなければと、わざとめでたい名をつけて来たのも少くはなかつた。
独楽園 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
差上しに二條家御感ぎよかんの餘り其まゝ奏聞そうもんなし給へば賤敷いやしき女にもかゝ風流ふうりう有けるよと即座そくざに御うた所へつかはされ歌仙かせんくはへさせられ又北面ほくめん北小路きたこうぢ從五位下東大寺とうだいじ長吏ちやうり若狹守藤原保忠わかさのかみふぢはらやすたゞ 勅使ちよくしとして祇園へいたり 勅使なりと聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御感ぎよかんななめならず……
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)