トップ
>
御伽
>
おとぎ
ふりがな文庫
“
御伽
(
おとぎ
)” の例文
かく言うは、あえて氏が取材を難ずるにあらず。その出処に迷うなり。ひそかに思うに、著者のいわゆる近代の
御伽
(
おとぎ
)
百物語の徒輩にあらずや。
遠野の奇聞
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし鹿の角に破られるような小屋の中でも、なお多くの流人は島の
御伽
(
おとぎ
)
を見つけて共に住んでいた。八丈ではその女を水汲みと呼ぶ習わしであった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
大国の軍、国王の失せたもう事に驚きて戦う事なくして小国に
順
(
したが
)
いぬ。大王深山にして嶺の木の子を拾い、沢の岩菜を摘んで行いたまいけるほどに、一人の梵士出で来りて
御伽
(
おとぎ
)
仕
(
つかまつ
)
るべしとて仕え奉る。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ああ、今夜唯今、与五郎芸人の身の
冥加
(
みょうが
)
を覚えました。……ついては、新蕎麦の御祝儀に、
爺
(
じい
)
が貴女に
御伽
(
おとぎ
)
を
話
(
もう
)
す。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
幻
(
まぼろ
)
しが殊に楽しかったと見えて、話は
御伽
(
おとぎ
)
の本の絵にも残り、また諸国には鼠の隠れ里の
故跡
(
こせき
)
は
爰
(
ここ
)
だと称して、耳を地面につけて聴くと、米
搗
(
つ
)
く
臼
(
うす
)
の音がきこえると謂った
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
近代の
御伽
(
おとぎ
)
百物語の徒に至りてはその志やすでに
陋
(
ろう
)
かつ決してその談の
妄誕
(
まうたん
)
にあらざることを誓ひ得ず。ひそかにもつてこれと隣を比するを恥とせり。要するにこの書は現在の事実なり。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
伽
漢検準1級
部首:⼈
7画
“御伽”で始まる語句
御伽噺
御伽話
御伽草子
御伽婢子
御伽衆
御伽桜
御伽童
御伽羅
御伽談
御伽品鏡