徒輩ともがら)” の例文
文壇も劇壇も、たとへ根柢の無い勢力ではあらうけれど、ほしいままに跋扈してゐるのは向不見の強味を持つ徒輩ともがらである。
かねて連盟の副頭領ともたのまれていた千石取りの番頭奥野将監しょうげん、同じく河村伝兵衛以下六十余人の徒輩ともがらが、いよいよ大石の東下とうげと聞いて、卑怯ひきょうにも誓約にそむいて連盟を脱退したことが判明した。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
がこれらは咎め立するほどの、価値ねうちある罪人ではない。それよりも、もつと大きな罪人には、尸位素餐しいそさん、爵禄を貪つてゐる上に、役得といふ名の下に、いろいろな不埓を、働いてゐる徒輩ともがらもある。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
……嫌疑けんぎ徒輩ともがら引出ひきだせ。