後脳こうのう)” の例文
旧字:後腦
そうして頭上遙かの空から、ほのかにさして来る星の光、それが後脳こうのうを輪取っている。「すてられた松明!」とつぶやいた。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
落ちかけた時調子の取りようが悪かったので、棒が倒れるように深いみぞにころげこんだ。そのため後脳こうのうをひどく打ち肋骨ろっこつを折って親父は悶絶もんぜつした。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
和尚はすこし首をかがめて夫人の唇を己のほおに受けようとした。と、李張の手にした矢が飛んでその前額ぜんがくから後脳こうのうにかけてつらぬいた。夫人の倒れた上に血にんだ和尚おしょうの体が重なった。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
娘の後脳こうのうを膝の上にのせて、一人の男が坐っていた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)