“彼店(あすこ)” の例文
「旅籠屋(はたごや)だ。新築でがしてな、まんずこの辺では彼店(あすこ)だね。まだ、旦那、昨日はその上に、はい鯉(こい)を一尾(いっぴき)買入れたでなあ。」
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「主婦さあ、『日本橋の松屋においで、松屋が安くって好いから』と、いっていたわ。うちの主婦さあも彼店(あすこ)で買うの」
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
武「これはなんで、芝口(しばぐち)三丁目の紀国屋(きのくにや)と申すが何時も出入で誂(あつら)えるのだが、其所(そこ)へ誂えずに、本町(ほんちょう)の、なにアノ照降町(てりふりちょう)の宮川(みやがわ)で買おうと思ったら、彼店(あすこ)は高いから止めて、浅草茅町(あさくさかやちょう)の松屋(まつや)へ誂えて」