彫刻師ほりし)” の例文
コウン、コウン、コン——青蓮院しょうれんいんの山門には、足場がかかっていた。夏の暴風あらしで破損した欄間彫らんまぼりへ二人の塗師ぬりしと三人の彫刻師ほりしとが来て、修繕していた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに親父おやぢが金属の彫刻師ほりしだものですから、さかづき、香炉、目貫縁頭めぬきふちがしらなどはありませんが、其仕事をさせる積りだつたので、絵を習へと云ふので少しばかりネ、すゝきらん
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「もし、もし」光斎こうさいという彫刻師ほりしがよびとめた廊下のうえで、範宴はんえん少納言はにこと笑った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もう、ひるか」木屑を払いながら、彫刻師ほりしたちも、下へすべった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)