“形装(なり)” の例文
旧字:形裝
年が若いからお止しなさいとお附の女中がとめて、再縁をさせようと云うが、御夫人は貞操を立て、生涯尼になってと云うのでげしょう……形装(なり)も宜し
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
後(うしろ)から主人が来た。主人の髯(ひげ)は十月の日に照らされて七分がた白くなりかけた。形装(なり)も尋常ではない。腰にキルトというものを着けている。俥(くるま)の膝掛(ひざかけ)のように粗(あら)い縞(しま)の織物である。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あのくれえ身体つきの好いのはありません、外のは随分お形装(なり)は結構で、出るたんびに変り、でこ/\の姿で居ても感心しない、起(た)って歩く処を見ると、丈(せい)がづんづら低かったり
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なるほど銘仙(めいせん)だの御召(おめし)だの、白紬(しろつむぎ)だのがそこら一面に取り散らしてあった。宗助はこの男の形装(なり)や言葉遣(ことばづかい)のおかしい割に、立派な品物を背中へ乗せて歩行(ある)くのをむしろ不思議に思った。
門 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)