弾力だんりょく)” の例文
すうすうと、安らかないびきをかいている。そして、弾力だんりょくのある小さい唇の間から、白い歯が、ちらりとのぞいていた。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かくのごとき人の心には余裕がある。すなわち生木なまきのようなる弾力だんりょくがあって、世の変遷へんせんとともに進む能力を保留している。「老木ろうぼくまがらぬ」とは邪道じゃどうに迷わぬの意より弾力なきを笑うの言である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
せいいッぱいな弾力だんりょく交換こうかんして、ふたりはうしろへよろけあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後を単調な弾力だんりょくのない波の音ひびく。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
適当な摩擦まさつをもっていて、弾力だんりょくも頃あい、そして丈夫なことにかけては、巨人やブルトーザがのっても平気で、きめられたスピードで走るのです。さあ、私たちもあれにのりましょう。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「隊長。天蓋も写真にうつしてきました。そばへいってみると、大したものですよ。丈夫で、弾力だんりょくがあって、厚いんです。あれにむかっていっても、小さなはえ蜘蛛くもにひっかかるようなものです」
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)