弥竪よだ)” の例文
と思うと、慄然ぞっとして、頭髪かみのけ弥竪よだったよ。しかし待てよ、はたられたのにしては、この灌木の中に居るのがおかしい。
あなすさまじ、と貫一は身毛みのけ弥竪よだちて、すがれる枝を放ちかねつつ、看れば、くさむらの底に秋蛇しゆうだの行くに似たるこみち有りて、ほとほと逆落さかおとし懸崖けんがいくだるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)