度会わたらい)” の例文
旧字:度會
なおずっとけ離れて、伊勢の度会わたらい郡にもこれをタンバという土地がある。これ等のもろもろの例の中でも、タジナなどはこれを転訛ということさえ出来ぬ。
四 伊賀いが名張なばりなど三郡。南伊勢の鈴鹿すずか河曲かわわ一志いちし飯高いいだか飯野いいの多気たけ度会わたらいなどの七郡。——それに尾張犬山城と、河田かわだとりでとは、秀吉へゆずること。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秩父ちちぶの山ふところ、武田の残党として近郷にきこえた豪族ごうぞくのひとりが、あてもない諸国行脚あんぎゃの旅に出でて五十鈴いすず川の流れも清い伊勢の国は度会わたらい郡山田の町へたどりついたのは、ちょうど今ごろ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二条院讃岐の知行だった時代、富田基度とみたもとのりのために押領されたのを、鎌倉に愁訴して旧に復したなどという由来も伝えられている。更に伊勢の度会わたらい郡には小俣という村があって、「オバタ」と読む。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
同じ三重県でも『度会わたらい郡方言集』、すなわち神宮周囲の村落の語では、今でも稲扱器のことをヤマメと謂うそうである。ヤマメは寡婦やもめのことである。何故にそのような名前が稲扱器に附与せられたか。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)