“わたらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
度会71.4%
渡井28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秩父ちちぶの山ふところ、武田の残党として近郷にきこえた豪族ごうぞくのひとりが、あてもない諸国行脚あんぎゃの旅に出でて五十鈴いすず川の流れも清い伊勢の国は度会わたらい郡山田の町へたどりついたのは、ちょうど今ごろ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二条院讃岐の知行だった時代、富田基度とみたもとのりのために押領されたのを、鎌倉に愁訴して旧に復したなどという由来も伝えられている。更に伊勢の度会わたらい郡には小俣という村があって、「オバタ」と読む。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
母の実家である渡井わたらいと、安田家とに通知をすることはしたが、弔問は許されず、通夜をした翌日のれがたには、葬式を出さなければならなかった。
十八条乙 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
みにくいほど血肥ちぶとりな、肉感的な、そしてヒステリカルに涙もろ渡井わたらいという十六になる女の生徒が、きたない手拭を眼にあてあて聞いていたが、突然教室じゅうに聞こえわたるような啜泣すすりなきをやり始めた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)