渡井わたらい)” の例文
母の実家である渡井わたらいと、安田家とに通知をすることはしたが、弔問は許されず、通夜をした翌日のれがたには、葬式を出さなければならなかった。
十八条乙 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
みにくいほど血肥ちぶとりな、肉感的な、そしてヒステリカルに涙もろ渡井わたらいという十六になる女の生徒が、きたない手拭を眼にあてあて聞いていたが、突然教室じゅうに聞こえわたるような啜泣すすりなきをやり始めた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)