年々としどし)” の例文
いざ恵林寺ゑりんじの桜見にといふ人はあるまじ、故郷ふるさとなればこそ年々としどしの夏休みにも、人は箱根伊香保いかほともよふし立つる中を
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鳴戸なるとを抜けるたいの骨は潮にまれて年々としどしに硬くなる。荒海の下は地獄へ底抜けの、行くも帰るも徒事いたずらごとでは通れない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
年々としどしの若葉ともいふ可きあらたの月日、またない月日、待受けぬ月日、意外の月日、すきになる月日、おそろしい月日は歸つて來ても、過ぎた昔のしたしみのある、願はしい
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
そうして年々としどし頻繁に、氏神其外の神々を祭っている。其度毎に、家の語部大伴語造おおとものかたりのみやつこおむなたちを呼んで、之につかまえ処もない昔代むかしよの物語りをさせて、氏人に傾聴を強いて居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ラレテ矮奴わいどトナッテ年々としどしニ進奉セラル」
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
くる年々としどしの冬のはじまりから