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けろり
ふりがな文庫
“
平然
(
けろり
)” の例文
健は
平然
(
けろり
)
として
卓隣
(
つくゑどな
)
りの秋野といふ老教師と話を始める。校長の妻は、まだ何か言ひたげにして、上吊つた眉をピリ/\させながら其處に立つてゐる。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
健は
平然
(
けろり
)
として
卓隣
(
つくゑどな
)
りの秋野といふ老教師と話を始める。校長の妻は、まだ何か言ひたげにして、
上吊
(
うはづ
)
つた眉をピリ/\させながら其処に立つてゐる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、校長は
気毒相
(
きのどくさう
)
な顔をしながら、健には
存在
(
ぞんざい
)
な字で書いた一枚の前借証を返してやる。渠は
平然
(
けろり
)
としてそれを受取つて、クル/\と円めて火鉢に
燻
(
く
)
べる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
然う言つた健の顏は、もう例の
平然
(
けろり
)
とした
態
(
さま
)
に歸つたゐて、此上いくら言つたとて動きさうにない。言ひ出しては後へ
退
(
ひ
)
かぬ健の氣性は、東川もよく知つてゐた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
然う言つた健の顔は、もう
例
(
いつも
)
の
平然
(
けろり
)
とした
態
(
さま
)
に帰つてゐて、此上いくら言つたとて動きさうにない。言ひ出しては後へ
退
(
ひ
)
かぬ健の気性は、東川もよく知つてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
さればといつて、家にゐる時の叔父は、矢張
平然
(
けろり
)
としたもので、別段苦い顔をしてるでもなかつた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、日がな一日、塵程の屈托が無い様に、陽気に物を言ひ、元気に笑つて、誰に憚る事もなく、酒を呑んで、喧嘩をして、勝つて、手当り次第に女を弄んで、
平然
(
けろり
)
としてゐた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お由は寢床に入つてからも、五分か十分、勝手放題に呶鳴り散らして、それが止むと、太平な鼾をかく。翌朝になれば
平然
(
けろり
)
としたもの。前夜の詫を言ふ事もあれば言はぬ事もある。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お由は寝床に入つてからも、五分か十分、勝手放題に怒鳴り散らして、それが
息
(
や
)
むと、
太平
(
たいへい
)
な
鼾
(
いびき
)
をかく。翌朝になれば
平然
(
けろり
)
としたもの。前夜の詫を言ふ事もあれば言はぬ事もある。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
渠は
平然
(
けろり
)
としてそれを受取つて、クル/\と圓めて火鉢に
燻
(
く
)
べる。淡い焔がメラ/\と立つかと見ると、直ぐ消えて了ふ。と、渠は不揃ひな火箸を取つて、白くなつて小く殘つてゐる其灰を突く。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“平然”の意味
《名詞》
平然(へいぜん)
落ち着いているさま。平気であるさま。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“平”で始まる語句
平
平常
平生
平素
平和
平坦
平伏
平地
平日
平家