帆立貝ほたてがい)” の例文
そいつは、頼みもしないのに、俺達をそそのかして、おけらの足に糸をつけ、玩具おもちゃの車を引張らせる奴さ。帆立貝ほたてがいの中に俺達を閉じ込めて、宇宙うちゅうの真底を見せてくれない奴さ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
海岸を歩けば、帆立貝ほたてがいからが山の如く積んである。浅虫で食ったものゝ中で、帆立貝の柱の天麩羅てんぷらはうまいものであった。海浜随処に玫瑰まいかいの花が紫に咲き乱れて汐風にかおる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
(気分をかえて)えー斧足類は蛤に蜆に牡蠣かき、あさり、あげまき、帆立貝ほたてがい、赤貝、ばか貝。
新学期行進曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まして、ここは海岸の事だから、帆立貝ほたてがいのなかから生れたような子供だの、鯨の背中に乗って流れ着いて来たような、うっとりするほどロマンチックな子供も居るに違いないのだ。
ここなる二ひらの帆立貝ほたてがいのひとつは藤紫ふじむらさきに白をぼかし、放射状にたてた幾十の帆柱は無数の綺麗きれい鱗茸りんじょうをつらねて、今しもほとばしりいでたあけぼのの光がいろいろの雲の層にさえぎられたようにみえる。
小品四つ (新字新仮名) / 中勘助(著)
らされて帆立貝ほたてがい
友に (新字旧仮名) / 末吉安持(著)