巨鐘きょしょう)” の例文
浅草寺あさくさでら巨鐘きょしょうの声はいかにもおごそかにまたいかにもおだやかに寝静まる大江戸の夜の空から空へと響き渡るのであった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
既にして巨鐘きょしょう水にあり。晃、お百合と二人、晃は、竜頭りゅうず頬杖ほおづえつき、お百合は下に、水にもすそをひいて、うしろに反らして手を支き、打仰いで、じっと顔を見合せ莞爾にっこりと笑む。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ツアールの巨鐘きょしょう殷々いんいんたる響きをききながら、クレムリン宮殿附近の邸宅で数ヶ月を過した或日、ロダンさんからのお手紙で、あなたの健康のよくなり次第巴里に帰って貰いたい。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)