とうと)” の例文
今より数十の星霜を経て後の文明の世に至れば、また後人をしてわが輩の徳沢とくたくを仰ぐこと、今わが輩が古人をとうとむがごとくならしめざるべからず。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
なるほど対手あいての顔はまだ見ない。しかし彼女はきっと美しいとうとい顔を持ってるに違いない。まだ見ぬ恋の楽しさを君は知るまい。私の恋が片思いに終わるとは断言できまい。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
が、この人はむしろ情の側の人で、道徳を主とし、宗教をとうとぶという性質の人であったからして、直接哲学に関係あるというよりはむしろそういう方面に大いに注意すべき方面があった。
とうとき憤り!」
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)