山積さんせき)” の例文
事件に関係のありそうな「謎」は後から後へと山積さんせきしたものの、これを解くべき「キー」らしいものは一向に見当らないのだった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
木場きばの町にはむかしのままの堀割が残っているが、西洋文字の符号をつけた亜米利加アメリカ松の山積さんせきせられたのを見ては、今日誰かこの処を、「伏見に似たり桃の花」というものがあろう。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
座蒲団ざぶとんだ——その御書院番士の座蒲団が一枚いているからと言って、官報第何号か何かでその欠員を募集するてエと、願書が何千通山積さんせきして、その中で高文こうぶんをパスしたやつが何百人
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もちろん、その首の下には完全な胴や手足がついていたわけで、彼らは、きょときょとと山積さんせきされた人造人間に、怪訝けげんな目を光らせていた。