“さんせき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
山積40.0%
三隻20.0%
三夕10.0%
山石10.0%
山脊10.0%
蚕席10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木場きばの町にはむかしのままの堀割が残っているが、西洋文字の符号をつけた亜米利加アメリカ松の山積さんせきせられたのを見ては、今日誰かこの処を、「伏見に似たり桃の花」というものがあろう。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「えっ、他のボートが見えないのですか。三隻さんせきとも見えませんか」
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「心なき身にもあはれはしられけり」とか、「その色としもなかりけり」とか、「花も紅葉もなかりけり」とかいう三夕さんせき糟粕そうはくめぬまでも、多くは寂しいということに捉われ過ぎるかたむきがある。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
山石さんせき道人だ、だが、僕は、この獣を殺すことができないから、師匠に献上することにする」
劉海石 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
奥の院から山脊さんせきを走るところの樺木科の多い大見晴らしへの道は、筑波の男体から女体に通う道とよく似ております。月の光も漏らさないほどの密樹を分けて、やはり大見晴らしへ通う人があります。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
母と姉は、水際に近い底石に乗って、蚕席さんせきを洗った。洗い汁の臭みを慕って、小ばやの群れが集まってきた。四月の雪代水は、まだ冷たい。
利根の尺鮎 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)