山稜さんりょう)” の例文
時には山稜さんりょうの亀裂から、熔岩の噴流が数百フィートも吹きあがる場合もあるが、いわゆる爆発とはだいぶようすがちがっている。
黒い月の世界 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
そしていつか薄明は黄昏たそがれに入りかわられ、苔の花も赤ぐろく見え西の山稜さんりょうの上のそらばかりかすかに黄いろににごりました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
高地の一部を占領して、山稜さんりょうっている足利方を、両断するの作戦であったらしい。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かぎる黒い尖々とげとげ山稜さんりょうの向うにちて薄明はくめいが来たためにそんなにきしんでいたのだろうとおもいます。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)