山原やんばる)” の例文
しかしてこの精神は遂に発して南洋との貿易となり、山原やんばる船ははるかにスマトラの東岸まで航行して葡萄牙ポルトガルの冒険家ピントを驚かしたのである。
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
カワラはもとカハラで、地方によっては訛ってガハナ(カハナ)とも呼んだもののごとく、島袋源七君の『山原やんばるの土俗』収むる国頭くんちゃんの民謡に
八坂瓊之曲玉考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
沖縄の炭焼長者の女房などは、雀に山原やんばるの炭焼き谷に行けと教えられて、長者の始祖になったといわれている。ここではクルクルというのが雀の囀ずりの声であった。
って、稲の種子を授けることになっていたと、島袋しまぶくろ君の『山原やんばるの土俗』には報じている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山原やんばる神詛おもりに数首出ているのと照し合わせて、いわゆる「やまと旅」の目的の、ただに物質的要求のみならず、宗教的要求あるいは余り物質的でない要求の顕著であったことを述べ
土塊石片録 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
今でも国頭くにがみ郡の田港たみなとの海神祭の神歌には、おし鳥がこの甘種あまたね白種を口にくくんで、あぜから蒔き散らしたと唱えていることが、島袋源七君の『山原やんばるの土俗』に見え、遠く北に離れた奄美大島あまみおおしまなどでも
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)