尻端折しりはしをり)” の例文
つゞいて尻端折しりはしをり股引もゝひきにゴム靴をはいた請負師うけおひしらしい男のとほつたあとしばらくしてから、蝙蝠傘かうもりがさ小包こづゝみげた貧しな女房が日和下駄ひよりげたで色気もなく砂を蹴立けたてゝ大股おほまたに歩いて行つた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
主婦かみさん流許ながしもとへ行つたり、かまどの前に立つたりして、多忙いそがしさうに尻端折しりはしをりで働いて居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かうやつてかうすると言ひながら急遽あわただしう七分三分に尻端折しりはしをりて、そんなゆわひつけなんぞよりこれが爽快さつぱりだと下駄を脱ぐに、お前跣足はだしに成るのかそれでは気の毒だと信如困り切るに、好いよ
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)