尚真しょうしん)” の例文
尚真しょうしん王代のものですが、如何にその時代がみなぎる力を内に宿していたかを想い見ないわけにゆきません。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
抱沖はその子春沂しゅんきで、百俵寄合よりあい医師から出て父の職をぎ、家は初め下谷したや二長町にちょうまち、後日本橋にほんばし榑正町くれまさちょうにあった。名は尚真しょうしんである。春沂ののち春澳しゅんいく、名は尚絅しょうけいいだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これ即ち尚真しょうしん王が中央集権を行った時代である。琉球の万葉ともいうべきオモロが盛に歌われたのもこの時代である。琉球語を以て金石文や消息文を書いたのもこの時代である。
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
沖縄の歴史を研究してみると、三山の区画はその形式だけはとうに尚巴志しょうはしによって破壊されたが、その実質は尚真しょうしん王のころ三山の諸侯が首里に移された時まで存在したということがわかります。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)