小胆しょうたん)” の例文
旧字:小膽
数頭の小荷駄の間にはさまって、道中馬の背に横乗りになっていた手ぬぐいかぶりの一人の女が、大の男どもの小胆しょうたんな慌てざまを制しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その上小胆しょうたんで無分別で正直と来ているから、それほど厭でなくっても断りかねないのさ
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは決して、余が小胆しょうたんのあまり自ら進んでロイヤル・オーク号から降りたわけではなく、只今では、生きている人間は、全部該艦がいかんから締め出しを食っているのだから誤解のないように。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
昨日きのう小胆しょうたんであったことも、つきさえも気味きみわるたことも、以前いぜんにはおもいもしなかった感情かんじょうや、思想しそうありのままに吐露とろしたこと、すなわ哲学てつがくをしている丁斑魚めだか不満足ふまんぞくのことをうたことなども
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)