“小胆者”の読み方と例文
読み方割合
しょうたんもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
柿丘秋郎の正体もつきつめて見れば、此の種の人物だったが、割合に小胆者しょうたんものの彼は、幸運にも今までに襤褸ぼろをださずにやってきたのだ。これは僕がねたみごころから云うのではない。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
臆病な人見知りをする性質の私は、自分から頼る気にならない人とは口一つ満足にはきけません。私はそんな小胆者しょうたんものですが、その好意が身に余るほど解るので夫人の許をしばしば訪れます。
聖アンデルセン (新字新仮名) / 小山清(著)
「よかろう。だが、禅とは、大悟たいごのことだ。おまえみたいな小胆者しょうたんものでは、大悟はおろか、迷って見ることもできはせぬ。——まあ、養子の口だな。お父上も心がけておるらしい。いい養子先があったら行く事だ」
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)