小籃こかご)” の例文
カリフォルニヤから来る水々しい葡萄ぶどうやバナナを器用な経木きょうぎ小籃こかごに盛ったり、美しい花束を携えたりして、葉子の朝化粧あさげしょうがしまったかと思うころには木村が欠かさず尋ねて来た。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
さすがに辺鄙ひなでもなまめき立つ年頃としごろだけにあかいものや青いものが遠くからも見え渡る扮装つくりをして、小籃こかごを片手に、節こそひなびてはおれど清らかな高いとおる声で、桑の嫩葉わかばみながら歌をうたっていて
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)