小吏しょうり)” の例文
軽慓けいひょう狠険こんけん篤信とくしん小吏しょうり大塩平八が、天保八年の饑饉に乗じ、名を湯武とうぶ放伐ほうばつり、その一味いちみひきい、火を放ちて大坂城を乗り取らんとしたるが如きは
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
小説体に書きつづりしものにしてこの情死は明治十三年九月新吉原品川楼の娼妓盛糸と内務省の小吏しょうり谷豊栄が情死と相前後して久しく世の語り草とはなれるなり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
小吏しょうり王化の徳を誤ること一つ。吏務、王都を遠く離れて怠り私威をみだりにすること二つ。蛮民互いに廃殺の隠罪あれば、戦後心に疑いを相挟み、私闘をかもす怖れあること三つ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
直江山城守は、もと上杉家の台所に勤めていた炭薪すみまき係の一小吏しょうりの子だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)