小友おとも)” の例文
陸中国遠野郷(いまの上閉伊郡)小友おとも村に、長者がありまして、その家に一人の下男がおりました。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
すなわち偶然に討死をしなかった勇士の子孫である。人首の嶺の北はこみちに富んだ小友おともの山地である。天下がもし乱れたとすればいたずらに麓の館に立て籠ることは地形が許さなかった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
三八 小友おとも村の旧家の主人にて今も生存せる某爺なにがしじいという人、町より帰りにしきりに御犬のゆるを聞きて、酒に酔いたればおのれもまたその声をまねたりしに、狼も吠えながらあとより来るようなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
一 遠野郷とおのごうは今の陸中上閉伊かみへい郡の西の半分、山々にて取りかこまれたる平地なり。新町村しんちょうそんにては、遠野、土淵つちぶち附馬牛つくもうし、松崎、青笹あおざさ上郷かみごう小友おとも綾織あやおり鱒沢ますざわ宮守みやもり達曾部たっそべの一町十ヶ村に分かつ。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)