小厮こもの)” の例文
奥田将監おくだしょうげんさまは、わたしの父の左門と同じ格式、其の将監さまの小厮こものであったおまえが、わたしをとらえて、なんと云うことだ、ああ嫌らしい」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
すると大いに驚いた顔をして「何しろ内へお入り下さい」といい、もう日暮ひぐれでもございましたから店の小厮こものに店を仕舞しまうように吩付いいつけて家へ入った。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その間に小厮こものたちは舞台を行き過ぎてしまう。階段のところで侍僮、小厮たちに追いつく。チチアネルロは足を爪立てて歩み寄り、そっと幕を掲げて後方に入る。
おかの方から堰堤の上をどんどん駆けて来た者があった。普請役場の小厮こものに使っている武次たけじと云う壮佼わかいしゅであった。
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
シンフォニイの最後の拍子に連れて、序曲プロロオグを唱う者登場する。そのうしろに炬火たいまつ小厮こものたち。
其の話はお岩のさんの手伝に雇入れた小平こへいと云う小厮こものが民谷家の家伝のソウセイキと云う薬をぬすんで逃げたことであった。其の時屏風びょうぶの中から手が鳴った。宅悦は腰をあげた。
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「奥田の小厮こものの直助か、どうして此処へ」
南北の東海道四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)