よべ)” の例文
よべ見し夢の——夢の中なる響の名残か」と女の顔にはたちまこう落ちて、冠の星はきらきらと震う。男も何事か心さわぐ様にて、ゆうべ見しという夢を、女に物語らする。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
醒めたるあとにもなお耳を襲う声はありて、今聞ける君が笑も、よべの名残かと骨をゆるがす
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)