ヤカ)” の例文
又、自分ののろ殿内ドノチヤカつ神なる火の神にツカへる。其外にも、村全体としての神事には、中心となつて祭りをする。間切、村の根所ネドコロの祭りにも与る。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
併し恐らくは、火の神の為に、建て物を構へたのは一つもなく、建て物あつて後に、火の神を祀る事になつたので、某々の家のヤカつ神、と考へて来たのに違ひない。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
のろ殿内に祀るのは、表面は、火のカンであるが、此は単に、ヤカつ神としてに過ぎない事は既に述べた。のろ自身は、由来記などに記した程、火の神を大切にはしてゐない。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
即、石上乙麻呂の歌——及び詩——、中臣ヤカ守・茅上郎女チカミノイラツメの相聞連作、源融・小野篁・在原行平の歌、其から更に源氏物語その他の、貴人流離の物語の人生観を誘導してゐる。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)