存知ぞんじ)” の例文
「まアお姉さま、驚かせるわネ。でもあたくしは存知ぞんじていますわ。あたくし達が伊豆へ行っている間にお作り遊ばしたんでしょう」
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「折竹さん、あなたは三上重四郎というお国の医学者を、ご存知ぞんじでいらっしゃいますね? パタゴニア人に保護区政策リザーヴェーションをとれと、アルゼンチン政府と喧嘩をした……」
人外魔境:05 水棲人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
殺した人は別に有とは誰人たれびとにや其許樣そこもとさまが御存知ぞんじならば何卒なにとぞをしへて下されと言ば忠兵衞莞爾につこわら然樣さういはるゝならば教へもせんが然れども其處そこ肝要かんじんかな魚心うをごころ有ば水心とあじことばにお光はほゝ強面つれなくなさばかくさんときつと思案しあん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ははあ、その訳ですか。あなたは本当にご存知ぞんじないのですか。これはおどろきましたね」といって、矢部は帽子を脱いだ。
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「疑えば疑えないでもありませんが、よくは存知ぞんじません。唯、兄と姉とが、勝見のことで変に皮肉な言葉のやりとりをしているのを一二度、耳にしたことがございました」
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ああそれはどうも。こっちに通路があるとは、全く存知ぞんじませんでした」
「あなたは、ご存知ぞんじないが、あなたは、日本の将校なんです」
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)