婿殿むこどの)” の例文
小国にてはこの話を聞きてまこととする者もなかりしが、山崎の方にてはそはマヨイガなるべし、行きて膳椀の類を持ちたり長者にならんとて、婿殿むこどのを先に立てて人あまたこれを求めに山の奥に入り
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
其まゝ持返もちかへらば和郎そなた幼稚こども使つかひひとしく主人に言譯あらざる可しついては一度受納じゆなふしたれど此方こなたは見らるゝ如くにて親子おやこほかに人もなければ結納持せて遣難し依て此まゝ此金は其婿殿むこどの上下料かみしもれうに送りたりとて返し給ひぬ然すれば和郎そなたの役目もたゝんと信あり義あり何から何まで拔目のあらざる言葉ことばかんじ忠兵衞はたゞ拜々はい/\と言受なして金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)