姿見鏡すがたみ)” の例文
あいちやんは其扇子そのせんす手套てぶくろとを取上とりあげ、まさ其處そこ立去たちさらうとして、姿見鏡すがたみそばにあつたちひさなびんまりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
十七位の時分は寧ろ姿全體にうつるもの——姿見鏡すがたみでなくつても、硝子戸なんぞでも氣まりが惡かつたので見ないふりをして、その癖誰も見るものがないとしげしげと見詰めたものです。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
それでも毎晩おしまい湯に這入りましてお掃除を済ましたあとで、お湯殿の姿見鏡すがたみをのぞいて見ないことは御座いませんでしたが、そのうちに、いつからともなく奇妙な事に気がつきはじめました。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
黄なる日に鏽びし姿見鏡すがたみてりかへし人あらなくに百舌啼きしきる
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
すみには美しき女机あり、こなたには姿見鏡すがたみあり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そしておかみさんに姿見鏡すがたみ一つうてくりょ。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)