始皇しこう)” の例文
かん武帝ぶていが常に匈奴に苦しめられ、始皇しこうが六国を亡ぼしても北部の蕃族、即ち匈奴を防ぐがために万里ばんり長城ちょうじょうを築くという有様であった。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
往古東洋の暴主しん始皇しこうは石をもって万里の長城を築けり。しかして今や泰西の帝王宰相らは人をもって万里の長城を築かんとす。あにまた大胆ならずや。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
はなはだしく乱暴ですね、しん始皇しこうといえども、そういう乱暴はしませんでした、出来のいい奴にだけ女をあてがって、ドンドン子を産ませる、出来の悪い奴には女にさわらせない
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しん始皇しこうの世に、銅を通貨にるようになったまでは、中国の至宝は宝貝であり、その中でも二種のシプレア・モネタと称するに光る子安貝こやすがいは、一切の利慾願望の中心であった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これはむかし荊山けいざんのもとで、鳳凰ほうおうが石に棲むのを見て、時の人が、石の心部を切って、国の文王に献じ、文王は、稀世の璞玉あらたまなりと、宝としていましたが、後、しん始皇しこうの二十六年に
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しん始皇しこうの時、長水ちょうすい県に一種の童謡がはやった。
秦の始皇しこうの時、王道平おうどうへいという男があった。
再生 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここに於てある人の如きは、支那の科挙の制度を以て始皇しこう書を焼くの害よりも大なりというた。支那をほろぼすものは科挙の制だというんである。思うに支那民族は種々の中毒性にかかっている。