女鳴神おんななるかみ)” の例文
「あたい、浜村屋が好きさ、菊之丞きくのじょう女鳴神おんななるかみ——当たったねえ、あの狂言は」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顔がと云うと、やがて人ぐらいの大きさに、何十挺だか蝋燭を固めて、つるりとやっぱり蝋を塗って、細工をしたんで。そら、燃えさしの処が上になってるから、ぽちぽち黒く、女鳴神おんななるかみッて頭でさ。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見たりし盆興行は団菊両優は休みにて秀調しゅうちょう染五郎そめごろう家橘かきつ栄三郎えいざぶろう松助まつすけら一座にて一番目は染五郎の『景清かげきよ中幕なかまくは福地先生新作長唄所作事しょさごと女弁慶おんなべんけい』(秀調の出物だしもの)二番目家橘栄三郎松助の「玄冶店大喜利げんやだなおおぎり」家橘栄三郎の『女鳴神おんななるかみ常磐津ときわず林中りんちゅう出語でがたりなりき。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)